雑記帳

永野 宏志


最終更新日 : 2002/12/10 <授業のねらい及び具体的な達成目標>  20世紀は過去のどの世紀にもまして新しいものが氾濫した時代である。が、新しいテクノロジーが導入され、見えるものしか信じない時代となっても、生活から追い出された憑き物や幽霊、おばけや妖怪の類の話はなくならない。見えないものを見ようとする想像力が、科学中心の時代にも生き残っている。デジタル社会の今でも、様々なメディアに見えないものが表現されている。それは、文学ジャンルでは怪奇、幻想小説に保存され、映像化されてきた。明治以後、蒸気機関、電気、電信電話、写真、印刷とさまざまな新しいものに囲まれ、ただ消費しようと躍起になった20世紀が終わった今、古いものを活用し、編集して新たなイメージを作る系譜を再検討し、個々の想像力を養うようにする

<授業計画> 第1週 イントロダクション:見えないものを見る力、テクノロジー・文学・想像力 第2週 江戸後期(1):鶴屋南北『東海道四谷怪談』と江戸のメディア空間 第3週 江戸後期(2):鶴屋南北『東海道四谷怪談』のメディア・プロデュース 第4週 明治初期(1):河竹黙阿弥『真景重累ヶ淵』と流体的な水辺の空間と陸の空間 第5週 明治前期(2):三遊亭円朝『怪談牡丹燈籠』と速記術、言文一致、新聞メディア 第6週 明治中期(1):泉鏡花『高野聖』と日清戦争のテクノロジー 第7週 明治中期(2):泉鏡花『高野聖』と石炭から石油へのエネルギー変換と想像力の関係 第8週 明治後期(1):小泉八雲『怪談』と日露戦争のテクノロジーの発達 第9週 明治後期(2):小泉八雲『怪談』と移動する人々、衝突する文化 第10週 明治末期:夏目漱石『夢十夜』と速度化する都市空間と内なる見えないもの 第11週 明治の想像力(1):妖怪博士井上円了と千里眼研究者福来友吉 第12週 明治の想像力(2):博物学者南方熊楠と民俗学者柳田國男 第13週 まとめ:デジタル社会の中でのヴァーチャルリアルと想像力の関係

<成績評価方法及び水準> きちんと授業に出席し、学期末試験を受験し、各単元の終わりに課すレポートを加味して、総合的に評価した結果、60点以上の者に単位を認めることとする。成績評価方法の詳細については第1回の授業時に説明する。

<教科書> 毎回、プリントを配布する

<参考書> 前田愛、加藤秀俊『明治メディア考』(中公文庫、品切) ポール・ヴィリリオ『速度と政治』(平凡社)

<オフィスアワー> 新宿校舎講師室で、授業後20分位

<学生へのメッセージ> 現代のヴァーチャルなリアルを、与えられるまま生きるのではなく、それに抵抗し、自らの想像力によってリアルを作り出せる人間になるよう期待する。


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Last-modified: 2015-02-01 (日) 14:38:24 (1027d)